シオンの日記の内容
日記ってこんな感じかしら?
今日から日記をつけてみようと思う。
また皆と旅をすることになった記念に······
という感じかしら。 いつか見返した時に、
こんなこともあったねと皆で笑って語り合えるように。
ただ、日記の正しい書き方を知らないから、
自己流になってしまっているかも。
今まで書いたことがないのだから、
仕方のないことだわ。 特に問題はないわよね。
日記一日目の話題として相応しいかどうかわからない
けれど、今日は皆で、 婚礼の儀の話をしたわ。
私たちがカガリとノッティオの素敵な婚礼の儀に
出席してから、もう一年以上もたつのね。
カガリたちの婚礼の儀が密かに話題になって、 今、
婚礼の儀をする人が増えているみたい。 良いことよね。
明るい話題だもの。
それに私は、一つの誤解が解けてすっきりしたわ。
キサラから聞いていた、 婚礼の儀の時に花嫁から
ブーケを受け取れないと一生結婚できないという噂・・・・・
あれが間違いで本当によかった。
別に気にはしていなかったけれど、 ほんの少しだけ
心にひっかかっていたから。
そういえば、アルフェンが夕食の時に、
妙に真剣な顔で考え込んでいたけれど
何かあったのかしら?
料理がまずかった、というわけじゃないわよね。
おかわりもしていたし。
もしかして新しい料理でも考えていたのかしら?
キサラから相談を受けたわ
リンウェルとアルフェンが話をしていたので、
加わろうとしたらキサラに呼び止められた。
盾を新調したいから相談に乗って欲しい、 とのこと
だったけれど、 今までにない、 もっと意匠にこだわった
見目も良いものにしたいんですって。
キサラは実用性重視かと思っていたけど、
おしゃれの尊さを分かってきたみたいね。
とても良いことだわ。
これは私がしっかりと相談に乗ってあげなくちゃ。
それにしても随分と細かいところまで気にしている
ようだったわね。 話が終わりかけても、 その都度、
次から次へとキサラから質問されるので、
かなり長話してしまったわ。 いつの間にかアルフェン
たちの話が終わっていたことにも気づかなかったくらい。
きっと、キサラにはかなりこだわりがあるんだわ。
だから、この件はかなり長引きそうだけど望むところ。
キサラ、頑張りましょうね!
アルフェンたちは何を話しているの?
キサラが盾を新調する件でずっと相談に乗っていたの
だけど、急に
「もう大丈夫だ」
と言われてしまった。
あんなに熱心に、 細かいことまで聞いてきていたのに。
私の返答に何か問題があったのかしら。
キサラが気分を害している様子はなかったけれど……。
リンウェルに話を聞いてもらおうかと思ったのだけど、
アルフェンと会話中だったから諦めたわ。
……そういえば、ふたりとも最近よく話してるわね。
どんな内容かしら。 そんなに盛り上がるような話なら、
私も会話の仲間に加えて欲しいわ。
別にアルフェンのことは全て知っておきたいとか、
そんな風に思っている訳じゃないけれど。
でも、少し気になるわね。
ロウが怪しいわね
ロウから、アルフェンと話している時は
しばらく近寄って来ないで欲しいと言われた。
何でも、とても重要で真剣な話し合いなんだとか。
……怪しい。
とても怪しい。
というか、 怪しさしかないわ。
ロウったら、いつにもましてニヤニヤしていたし。
あれは絶対に何かを企んでいるわね。
ロウに隠し事は向かないと思うわ。
アルフェンが巻き込まれていなければいいのだけど。
彼はお人好しだし、 心配ね。
少し注意して見ておいた方がいいかもしれないわ。
まさか……ね
アルフェンとドクが話し込んでいたみたい。
もしかして、ロウの言っていた真剣な話し合いというのは本当に行われていて、あれもその一環だった
のかしら……?
けれど、何の話をしているのか聞こうとしたら、テュオハリムに止められてしまったから、
わからずじまいだった。テュオハリムに、
「ロウが何か企んでいるのではないかしら?
怪しすぎるわ」
ときいたら、
「ロウの挙動は、いつもどこか不審ではないか?」
なんて、はぐらかされてしまった。
見るからに怪しいロウに、私を誤魔化そうとする
テュオハリム。今思えばキサラも様子がおかしかったわ。
アルフェンとリンウェルも、私をちらちら見ていた
気がする。考えすぎかもしれないけれど、皆、
私にだけ隠して何かを相談しているようにも思える。
まさか、とは思うけれど。
もしかして――
”あのこと”が……皆に、知られてしまったの?
美食家のお爺さんのところへ……?
美食家のお爺さんと会ったけれど、
よく分からないことを言われたわ。
「ワシに娘がいたらお嬢ちゃんみたいな子じゃったろう。
もし、今とは違う環境になったときに辛いことが
あったら、いつでも帰ってきていいぞ」
ですって。そもそも、あのお爺さんは
ずっと放浪の旅をしているわよね?
帰るってどこへ?
というか、なぜ私がお爺さんのところへ?
まったく意味が分からないわ。
でも、お爺さんが私にあんな風に言うということは、
やっぱり皆に、私がずっと秘密にしてきた
”あのこと”が知られてしまったのかも。
……もしも、”あのこと”で、皆に責められたら
とても辛いわ。
そうなったら、お爺さんのところへ行く選択肢も――
いえ、ないわね。
リンウェルは秘密に気づいたの?
アルフェンとテュオハリムがこそこそ話していた……
ように思えたから近付こうとした瞬間、
リンウェルが私に、わっと近づいて話しかけてきた。
まるで、私にふたりの話を聞かせまいとするように。
リンウェル……やっぱりあなたも”そう”なの?
皆と一緒で、私の秘密に気付いているの?
あなただけは何があっても私の味方になってくれると
持っていたのに……。
いえ、疑っては駄目。
もしかしたらたまたま話しかけてきただけかもしれない。
ああ、でも――
日記にだけ秘密の真実を書くわ
どういった経緯か分からないけど、今回はあちこち
色んなところへ行ったわ。場所がどう……とか。
そういえばヴィスキントでラギルに会った時、
「嘘を教えてごめんなさい」
といきなり謝られたけれど、
いったいなんのことかしら?
キサラとリンウェルも妙に慌てていたし。
――やっぱり、皆の態度がおかしい。
こうなったら、せめてリンウェルにだけは先に
”あのこと”を告白して誤ってしまおうかしら。
彼女なら、きっと許してくれるはずよ。
”あのこと”……私が食事当番の時は、味見と称して
皆より先に一皿分余計に食べているということを。
ただその後、普通に皆と一緒に食べておかわりも
しているのよね。
皆は私が二倍食べていると思っているようだけど、
違うのよ……本当は三倍なの……!
も、もちろん食材が豊富にある時だけよ!
皆、許してくれるかしら。
秘密は秘密ではなかったみたい
アルフェンとキサラが話をしていたので近付いたら、
今度はロウが私に話しかけてきた。
あからさま過ぎて明らかに足止めと分かるわよ、ロウ。
でも、ほんの少しアルフェンとキサラの会話が聞こえて
きたわ。私の名前と――あと、思い出になる、とか。
ふたりとも、すごく気合いが入っている様子で、
けれど、なんだか楽し気だった。
それで、ふと思ったの。
もしかして私の秘密が知られてしまった訳ではなくて、
皆で何か私を楽しませる計画を練っているのかしら?
って。だとしたら……私、自分が恥ずかしいと思った。
先に一皿余計に食べているなんて、盗み食いのようで
はしたないと思われたらどうしよう!
……なんてことばかり、考えていたのだもの。
だから、意を決して、移動中にそれとなくロウに
話してみたわ。実は食事の前に、味見で一皿余計に
食べてしまうことがあると……
私にとっては決死の告白だったのだけれど、ロウには
「食前に一皿? 少なくとも三皿はいってるだろ?
そんなの皆、知ってるぜ。どうした、今更?」
と軽く返された。
さすがに三皿は食べていないわ!
大盛りで一皿と、あと……ちょっとくらいよ。
いえ、量のことは、この際どうでもいいわよね。
大切なのは、秘密だと思っていたのは私だけで、
皆、そんなことはとっくに知っていたっってことよ。
そうだったのね……。
ありがとう、皆
アルフェンは将来の生活について色々考えて、
情報収集をしていた。皆もそれに協力していたのね。
なんだかこそこそしていると思っていたら、
そういうことだったの……。
私にだけ内緒にされていたのは、ちょっと気に入らない。
けれど、”私にだけ内緒”というのは、
その、つまり……
もしも、アルフェンが私のことを考えて、
そうしていたのだとしたら、素直にとても嬉しいわ。
それに力添えしてくれた、皆の気持ちも嬉しい。
私は本当に幸せだわ。今のままでも充分に。
……こんな風に書いて、もしも私の考え違いだった
としたらとても恥ずかしいけれど。
その時は、この日記は燃やすしかないわね。
でも、燃やさずにすむといい。心からそう願うわ。
思い立って始めた日記だけれど書いてみて良かった。
こんな素敵なことがあるんだもの。
年を取って記憶が薄れても、この日記を見れば、
この時に私が何を思っていたのか、
皆とどんな風に過ごしたのかを
思い返すことができる。
以前の私なら、過去のことなんて積極的に
なかったでしょうね。
そして、こんな風に過去を振り返る未来の自分を
想像することもなかったわ。
これも全て皆と出会えたから。
本当に……最高の仲間よ。ありがとう。
シオンの日記の読み方
ゲーム内ライブラリから読み返せる
シオンの日記はゲーム内のライブラリから読み返せます。ただし、DLCをプレイしているだけではだめで、システムからDLC受け取りリストを選択し、「Beyond the dawnスペシャルデータ」からEXクエスト「ふたりの夢、ひとつの未来」を受け取っておく必要があります。
受け取った上でヴィスキントの宿場に行くと読み返せるようになり、また、ストーリー進行によってEXクエストが進んでいくたびにシオンの日記が綴られていきます。
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