Hi-Fi RUSHの評価・感想 – リズムアクションゲーの名作。面白いから買ってください。お願いします。【プレイレビュー】

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リズムに乗って爽快アクション!な隠れた名作

『Hi-Fi Rush』?隠れた名作なの?誰でも知ってるでしょ笑なんて反応をする人はほぼ間違いなく箱ユーザーだと思います。なので必然的に日本よりも海外ではそれなりの知名度がありそうな予感。が勝手にしておりますがいかがでしょうか。

さて、本作『Hi-Fi Rush』は、2023年1/26日のマイクロソフトの新作情報番組で突如発表されたゲームである。突如なのでCMも全くなし。しかし開発はTango Gameworksが携わって、アンテナ感度の高い人ならこのビビっとなにかを受信していたはず。ちなみにTango Gameworksはバイオハザードの生みの親、三上真司氏によって設立されたスタジオです。サイコブレイクが有名ですね。

そんな突如発表された作品、僕も情報は追っていたので確かにこのタイトルを見ていたはずなのにどういうわけだかスルーしてしまいました。悔しい、まじで悔しい。なにが悔しいって、絶対この作品ちょっとでも見てたら、なんだこれ、おもしろそうじゃん、ってなって手を伸ばしていたはずなのに、それが発表段階でできなかったのが本当に悔しい。

どこで出会ったのかと言えば、普段ゲーム実況なんて見ないのにとある方の再生リストを見ていたらたまたまこの作品があって、たまたま再生して、最初のゲームプレイの3分見た瞬間に購入を決意した、という。まぁこんな話はいいですよね。というわけで早速ゲームの本題に、入る前にまずはトレーラーをどうぞ。

さて、今貼った動画、再生してくれたでしょうか。もし本作が少しでも気になっていたら、絶対に見るべき。見たらわかる。本当に。そして僕みたいに見た瞬間にビビっとなにかが反応したら、すぐに購入して遊ぶべきだ。絶対に期待を裏切らないのは約束できる。

トレーラーを見ても、リズムとアクションってどうなんだ?と疑問に思う人もいるはず。なのでここからは主にそこに焦点を絞っての紹介をしていきたい。

ちなみに本作では上述したように音楽が非常に重要となっていたり、あるいは有名なロックバンドの曲が使われていたりするようだ。ただ、悲しいかな、僕自身はそういったことに全く詳しくないので、◯◯の曲が使われていて、ということはなにも言えない。もし洋楽ロックバンド好きの方がいたら、そういった面でも楽しめるはず。

リズムとアクションの融合!チャイを操ってビートを刻もう

リズムとアクションの融合。そう聞いても、リズム、音楽にアクションが制約されて、面白くないんじゃないの?と思う人もいるはずだし、その疑問はもっともだ。

けれど、本作はリズムにアクションが制約されている作品では決してない。むしろ、リズムに乗って、ビートを刻んで遊べる作品だ。音楽はむしろなくてはならないものというか、言い換えれば音楽が敵の動きを教えてくれたりもするという意味でもある。

普通のアクションゲームでは、敵のモーションを覚えて、かつそれに反応する、という段が踏まれる。高難度ゲームであったりすると、そのタイミングをずらすためにディレイをかけてきたりもするが、本作では音楽に敵も味方も乗っているので、そうしたこともない。

あれ、さっき音楽に制約されてないって言ったのに、結局音楽に縛られて行動してるんじゃないの?と思ったかもしれないが、よく見てほしいのは、敵も音楽に乗っている、という点。個人的にはここが一番の肝になっているというか、要するにこの約束事から外れるキャラクターはどこにもいない。それは植木や岩などのオブジェクトですら軽快なビートを刻んでいることからだってわかるはず。

だから、リズムに縛られるというよりかは、敵の行動をよく見てパリィをしたり回避をしたとしても、結局それは音楽に乗ることになって、自然とビートを刻める。自然とビートを刻めるから、全く音楽によって制約を受けている感じがない。このアクションの爽快感は、少なくとも僕個人は経験したことがなかったし、ここにきて新たなアクションゲーの楽しみがあるのか、と驚きも覚えた。

音楽に乗ってコンボを繰り出すだけでそれっぽくもなるし、ゲームを進めて新たなコンボをアンロックすれば、新しいアクションも覚えられる。シンプルに遊べて、かつその時々でチャイの行動を選べるから、ゲームに飽きがこないで終われる。ただ、一部コンボのタイミングが結構難しかったりするのはちょっとうーんとなった部分もあったが、そんなのはこのゲームの些末な部分にすぎないし、他のコンボを使えばいいだけなので特に問題はない。

今触れた音楽に乗ったコンボも良い取り組みだと思う。例えば僕が好きなアクションゲームでデビルメイクライというシリーズがあるが、例えばこれには攻撃動作中、少し待ってボタンを押すとコンボが変わる、というものがある。では『Hi-Fi Rush』ではどうか。ビートを刻んで、拍を待って、という、少し待ってボタンを押すというだけなのにリズムに乗ってるだけでとっても楽しい。

一応言っておくと、デビルメイクライの少し待ってが駄目だとか、特殊だとか(他にもそういうゲームはあるし)を言いたいわけじゃない。ただ、音楽に乗って一拍待って行なうコンボは、普通のアクションゲームの少し待ってボタンを押すとはまた違った面白みというか、音楽に乗るだけでこんなに違った色を見せてくれるのか、と感心せざるを得なかった。

また、先述した回避動作やパリィなんかも音楽に乗って行えるので、ただ連打するとかじゃなく、ビートを刻んでタイミングよく回避をすれば連続で回避ができるし、敵の攻撃をパリィする、というときも、音楽に乗って連打をすれば大体パリィができるのも良い点だ。ただガチャガチャするだけじゃなく、チャキ、チャキ、と軽快にリズムを刻んだおねパリなので、なんとなく気分も楽だったりした。

ところでいまチャキチャキなんて効果音を出したが、個人的に全アクションゲームの中でもトップクラスだと思っている『Sekiro』も音ゲーだなんて言われ方をしていた。実際タルコンガとかダンレボのコントローラーでクリアした人もいたし、根本部分で音ゲーのような爽快感があるのは個人的には同意ができる。ただ本題からそれるし、『Sekiro』の本当にすごいところは音ゲー部分ではないと思うので、まぁ簡単に言えば次の話を進めるために触れたと思ってもらって構わない。

どうしてもリズムに乗るのが苦手な人のために画面下のようなガイドも出せる

なにはともあれ、音ゲーとアクションゲー?うなぎと梅干しみたいなもんじゃないの?と思った人、いや全然そんなことないんだよと言いたい。だって超名作の『Sekiro』だってそのエッセンスは確かにあったはずだし。そもそもうなぎと梅干しの食べ合わせが悪いっていうのは当時の言説であって特に体に悪いことが起こるわけでもない。音ゲーが苦手だからアクションゲーは好きだけど、という人も確かにいるだろうし、その気持ちもわかるけれど、先に述べたように、その問題を本作はなにもかもが音楽に乗っているからセーフ、というゲームデザインで乗り切れている

また、そんなポップなゲーム性にあっているカートゥーンのデザインもいい。これが硬派な絵柄だったらまた違った印象だし、まさにゲーム性とデザインがマッチしているいい例だろう。ストーリーもそれに伴ってか、とってもシンプルだし、そうはならんやろ、というツッコミもまぁ『Hi-Fi Rush』だしな、で問題なくなってすらいる。

ちなみに、今まで触れてきたアクション要素、かなり作るのが大変そうであった。「4Gamer」のインタビューを見ていても、音楽に制限されないように、アクションをいつ繋げても拍に上手に乗らせてあげる仕組みであったり、先程述べたオブジェクトがリズムを刻んでいることによって自然とタイミングが分かったり。敵の行動も非常に気を使っていたようだ。ゲームを一通りプレイした人にはぜひ読んでいただきたい、なるほどな~というインタビューなので、URLはこちらと最後に貼っておきます。
4Gamerさんのインタビュー記事1

プレイ時間も長すぎず短すぎず、適度なバランスだったと思う。一周クリアには普通にプレイして10時間に満たなかったほどなので、中だるみせず一気に遊ぶことができた。ちなみに、アプデなどでもう少しやりこみ要素があったり、収集要素やちょっとしたサブクエスト風味のものもあって、やり込もうと思えば20~30時間くらいは遊べるゲームとなっている。

本作は開発こそTango Gameworksだが、パブリッシャーがBethesdaとなっているので、PS系からは出ていない。遊ぶにはXboxかPCで遊ぶ必要がある。流石にこのためだけにゲーム機を購入して、とは言えないし、ゲーミングPCだとしても、推奨でRTX2070なので誰でも手が伸ばせるわけではないとは思う。

ただ、もしこのゲームをプレイできる環境があって、なのにまだ遊んでいないのだとしたら、それは僕個人としてはとても残念なことだったりする。確かに全世界では200万本の売上があるらしいが、これはXbox Gamepssの数字も含まれていて、実際にちゃんと手に取ってる人はもっと少ないだろう。

だけど、あまり誰も手を伸ばしたことがない作品というには惜しい作品であるのは間違いない。欠点らしい欠点もなく、強いていえば多少ゲームが短いことや、序盤のチャイの性格がなぁ、一部の敵の行動がちょっと難しいとかはあるかもしれないが、一本のゲームとして見たときにしっかりと一本幹の生えたというか、筋が通っているというか、とにかく非常に完成度の高いゲームとなっている。

個人的にはもう少しでも知名度があれば、2023年の日本ゲーム対象に食い込んでいただろうし、というかこの出来栄えで食い込んですらいないのは悲しくもある。終わってしまったことは仕方ないので、今からでもぜひ手を伸ばしてもらって、本作の魅力であるリズム×アクションを存分に楽しんで欲しい。そして、終わるころにはきっと僕のように、誰かにこのゲームを宣伝したくなっているはずだ。

  1. 4Gamer「[CEDEC 2023]未経験ゼロからのスタート。「Hi-Fi RUSH」というリズムアクションゲームができるまで」https://www.4gamer.net/games/681/G068145/20230826006/.2023/10/22 ↩︎
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